【怖さレベル3:緊張】多少の「怖さ」はありますが、考察に集中できる中級者向け。
※本記事は2025年6月12日に、以下URLにて公開しました。
「horrortopics.com/post/r-kisaragimovie-re」
今回紹介する作品は、映画『きさらぎ駅 Re:』。
インターネット掲示板「2ちゃんねる」発の都市伝説をもとに作られた2022年公開作品『きさらぎ駅』の続編となる本作。
前作でメインキャラクターを務めた本田望結、恒松裕理が続投、繰り返される前作のショッキングな展開の中に、新たな衝撃的本質を織り込んだ、恐怖が後追いするジャパニーズ・ホラーであります。
※なお、本記事には広告プロモーションが含まれます。
【概要】

ネットなどでうわさされている異世界から奇跡の帰還した一人の少女が、残された人々を救い出すべく再び異空間に向かう様を描きます。
前作に引き続き作品を手がけたのは、永江二朗監督。主演は前作に引き続きの出演となる本田望結が務めます。さらに前作で異空間に取り残された主人公を演じた恒松祐里も登場。
前作からの続投は佐藤江梨子ほか、芹澤興人、瀧七海、寺坂頼我ら。加えて新たに奥菜恵、大川泰雅らが名を連ねています。
2025年製作/日本
配給:イオンエンターテイメント
劇場公開日:2025年6月13日
【監督・脚本】
永江二朗
【出演】
本田望結、芹澤興人、瀧七海、寺坂頼我、大川泰雅、柴田明良、中島淳子、奥菜恵、佐藤江梨子、恒松祐里ほか
【あらすじ】

宮崎明日香が「きさらぎ駅」と呼ばれる異世界で失踪、そして3年の歳月が過ぎたある日突然、彼女は奇跡の生還を果たします。その外見は20年前のまま。その奇妙な出来事から、彼女は世間からの容赦ない冷たい視線と酷評にさらされます。
しかし孤独と絶望にさいなまれた明日香の前にある日、テレビのドキュメンタリーディレクターの角中瞳(奥菜恵)と出会います。彼女との運命的な出会いは、かつて命を懸けて明日香を救ってくれた堤春奈を、この世界に引き戻す決意を生み出します。
かくして明日香は、異世界に取り残された者たちのために、再び「きさらぎ駅」へ向かうのでした。
【戦慄分析】
当サイトによる怖さレベル:LV.3
(「怖さ」の使い方に要注目。「恐い」と思うだけでは勿体ない)

グロテスクなビジュアル:中程度(中級者向け。但し、使い方は特殊)
音響による不快感・ノイズ:あり(中)
演出分析:視覚的恐怖は落とし穴、本当の「怖さ」は別の角度からやってくる!
異次元風味満載の第一作『きさらぎ駅』。その独特の映像感を継承し作られた本作は、映像的には独特の色味といきなり度肝を抜かれるジャンプスケアシーンがそのまま継承されています。
しかしそこは「第一作」から敢えて別の恐怖へ人々を導こうという企みすら見えてくる本作。「第一作」から継承した不気味さが、本作では雰囲気そのままに、ある意味笑いさえでてくるような全く違う印象の展開をみせていきます。
そんな中で、物語の最後にメインキャラクターたちが行き着いた場所。そこでは物語の全てがどんでん返しとなり、最後に強烈な「絶望感」を見るものに投げかけていきます。
総じてレーダーチャート項目で見ると、序盤はこの中盤から終盤にかけての展開が、物語の「怖さ」の本質であるといえるところであります。
序盤のグロ、ジャンプスケア的な展開からは、中盤以降に進んでいく道筋は予想が出来ないところですが、そこで見えてくるのは意外にも「雰囲気」「不安さ」、そして究極的ともいえる「救いのなさ」。ここで見えてくるのは、前半の視覚的効果に依存する「怖さ」とは対象的に心理的、思想的な観点における「怖さ」を追究している点にあります。
【『きさらぎ駅 Re:』の感想・評価】
「ジャパニーズ・ホラー」を地で行く色彩感と、隠された恐怖ポイント

続編映画の難しさは、多くのジャンル映画作品の中でシリーズ化されるケースを見ても明らかでしょう。顕著な例としては『13日の金曜日』シリーズ。基本的に作品の定型的な路線を続けることで、続編では結果的に第一作の本質的なショッキング性が薄れてしまった傾向が見られます。
都内で行われた本作の完成披露上映会で永江監督も語られていましたが、本作はそんな失敗を回避すべく、相当に物語を練り上げた様子もうかがえるところであります。
その施策として物語に描かれている本質的なものは、まさに同じような画を見せつつも、前作からの視点を全く異なるポイントへ変えているところにあるといえます。
前作はネットミームとして知られる「きさらぎ駅」という架空の駅をめぐる物語に対し、新たな物語を作り上げた作品であり、「きさらぎ駅」という異空間の謎にスポットが当てられていました。
一方で本作では、どちらかといえばその異世界や怪現象の謎を追究することなく「ありきのもの」、ブラックボックス的な存在として物語に置き、「『きさらぎ駅』という存在自体がどのような経緯で現世に現れたのか」といった根本的な疑問に対して、裏からアプローチしているような傾向がうかがえます。
主人公である宮崎明日香は奇妙な体験から一変、奇跡の生還を果たしながらも世からは非常にひどい扱いを受け、生きることすら諦めかねない状況におかれてしまいます。そんな彼女が、異世界に取り残された人々をなぜ救うべく立ち上がったのか?本作ではその理由自体がかなり衝撃的であり、物語の新たな恐怖を生み出していきます。

本作は2017年に公開された映画『ハッピー・デス・デイ』のように、前作に描かれたイメージが繰り返し登場してきます。
前作は映像的にかなりアバンギャルドな画風が特徴的な作品となっていました。
ある程度のリアリティーを追究する海外のメジャー作品などと比較すると一見、どこか安っぽい映像に見えながら、実はそこに強烈な個性が見えてくる。メジャー作品にはなかなか見られない、ジャパニーズ・ホラーのある意味特徴的な作風であり、ムーブメント的な雰囲気も感じられるところ。
さらに蛍光灯色的なホワイトバランスの中で展開する物語は、非常に見る側の不安感をあおり、不気味な雰囲気がたっぷりと味わえるものであります。
前作の不気味一辺倒であった空気感と比較し、ときにコミカルに、また別のときには青春ドラマ的な雰囲気も見える本作は若干異質な感じにも見えますが、ラストに見られる明日香の表情にはそこに見えなかったつながりが現れ、ゾッとするような恐怖感をおぼえます。
本田望結の振る舞いは、断片的に見るとどこかぎこちなく感じられるかもしれませんが、全編を通して見ると逆にその立ち振る舞いが正解であったな、と感じさせるところもあり、表向きには見えない緻密さをおぼえるところでもあります。
参照:「きさらぎ駅」とは
同駅が初めて語られたのは2004年のことで、インターネット掲示板の2ちゃんねるに投稿された実況形式の怪奇体験談の舞台として登場した。体験談では人里離れた沿線に忽然と現れた謎の無人駅として描写されており、空想的に静岡県浜松市の遠州鉄道沿線、またはそこから繋がった異界にあるものと考察されている。
きさらぎ駅の都市伝説がネット上で最初に語られたのは、2004年1月8日深夜のことである。始まりはインターネット掲示板・2ちゃんねるのオカルト超常現象板にあった実況形式スレッドに怪奇体験の相談を「はすみ(葉純)」と名乗る女性とみられる人物が投稿したことであった。
2025/06/17 追記
映画「きさらぎ駅 Re:」本田望結、恒松祐里、瀧 七海、寺坂頼我、大川泰雅、永江二朗監督登壇 公開記念舞台挨拶レポート

【開催日】 2025/06/14
【場 所】 ヒューマントラストシネマ渋谷 シアター1(C)2025「きさらぎ駅 Re:」製作委員会
「続編を作るのに3年も時間をかけさせていただて、3年分の思いというか…(この作品は)絶対に面白く作りたいという思いで作ったので感無量、うれしい限りです」と喜びを口にする永江監督。
本作の見どころを尋ねられると、本田は「アクション映画かというくらいのアクション。アクション監督がいたほどの本格的なアクションをしています」とコメント。これには恒松も賛同、「前作とは違い今回は明日香も一緒になって…『石」を持ったり『木」を持ったり…(笑)、私だけじゃないガールズパワーで(恐怖を)倒していくコンビのアクションを楽しんでいただけたらなと思います」とアピール。
瀧は「アクションシーンはもちろんなんですけど、まずは“きさらぎ駅”新メンバーのみなさんが、どのように異世界を攻略していくかを注目していただきたいです」と語ります。そんな中で永江監督は「みなさんが言うことに困っている通り、(調子に乗って言うと)頭からラストまで全部ネタバレになっちゃうので、今は本当に言えない。『ネタバレができない映画」というところが1番の見どころかなと、思います」とまとめます。
そして「前作から3年後」という設定の本作にちなみ、3年後はどんな風になっていたいかと質問されると、本田は「3年後くらいですかね、『芸能と出会って20年目の年』になるのが。だから20年目のときに成し遂げたいことが叶っているといいな、と思います。また『きさらぎ駅』をやって3年経って『きさらぎ駅 Re:』をやったので、3年後は『きさらぎ駅 Re:Re:』をやっていたい(笑)。監督曰く、こういうことは言ったほうが叶うらしいので、監督がいるところでいっぱい『3をやりたい』って言っておこうと思います」とコメント。
永江監督は「今回3年かかったので、ぜひ3年後…」と語ると本田が「大丈夫ですか?記者さんいっぱいいますよ」とストップ。しかし永江監督は「言っちゃいました、僕?でも3年後にもし再集結できたら、こんなにうれしいことはないです。大ヒットさせていただくとその可能性がありますので、よろしくお願いします」と思いを語りました。
English Summary: “Kisaragi Station Re:” (きさらぎ駅 Re:)
Title: The Paradox of Salvation: J-Horror’s Internet Myth Returns in “Kisaragi Station Re:”
[Overview] Following the 2022 cult success of Kisaragi Station—based on the famous “2channel” urban legend—director Jiro Nagae returns with this chilling sequel. Miyuzuki Honda and Yuri Tsunematsu reprise their roles in a story that begins three years after the disappearance of Asuka Miyazaki. After miraculously returning from the “other world” while still appearing 20 years old, Asuka faces societal scorn. To save the person who once risked everything for her, she decides to descend back into the nightmare of Kisaragi Station.
[Key Analysis: Beyond Jumpscares] While the first film focused on the mystery of the supernatural station itself, Re: shifts its lens toward the psychological and existential “despair” (Zetsubou). The film masterfully utilizes an “avant-garde” J-Horror aesthetic—harsh fluorescent lighting and gritty visual textures—to heighten unease. While the early scenes employ classic jumpscares, the true horror lies in the film’s “lack of salvation.” The narrative subverts expectations, transforming a “girls’ power” action-adventure into a haunting meditation on the grim reality of returning from the abyss.
[The “Shiraishi” Influence and Meta-Horror] Influenced by the loop-logic of films like Happy Death Day, Re: revisits familiar imagery from the first installment but recontextualizes it through a darker, more meticulous lens. The “ぎこちなさ” (awkwardness) of the performances is a deliberate choice, reflecting the character’s alienation from reality. It is a unique piece of “Meta-Horror” that refuses to provide easy answers, leaving the audience with a lingering sense of dread long after the credits roll.
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