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【公開前レビュー】『呪いのスマホ』(Lv.4)SNSのヒエラルキーが生み出す、逃れられない恐怖
怖さレベル4:要注意

【怖さレベル4:注意】「怖さ」がかなり具体的なレベル。

ホラーが苦手な人は「要注意」!


手元に届く「自分が死ぬAI動画」を巡る恐怖の連鎖を描いた新感覚のデジタルホラー『呪いのスマホ』。

キャスト陣には、映画単独初主演を務める最注目の若手女優・早瀬憩を筆頭に、窪塚愛流や井手上漠、砂田将宏など、今をときめくフレッシュな次世代スターが集結しました。

その高いクオリティから、第30回プチョン国際ファンタスティック映画祭の国際長編コンペティション部門へ正式出品された本作。AIやスマートフォンという身近なガジェットが狂気に変わるリアルな恐怖と、若手実力派たちが魅せる息詰まる熱演が融合した、まさに現代を象徴する作品の特徴を持つ必見のホラー映画です。

じわじわと精神を追い詰める演出と、102分間ノンストップで押し寄せる恐怖の全貌を、Horror Topicsならではの視点からじっくりと紐解きます。

※なお、本記事には広告プロモーションが含まれます。

【概要】

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

正体不明の「呪いのスマホ」によって次々と惨殺されていく高校生たちの恐怖を描いたホラー。

2025年の『この夏の星を見る』の山元環が監督・共同脚本を手がけました。

主演は『違国日記』『あのコはだぁれ?』の早瀬憩。他にキャストには『ハピネス』の窪塚愛流、モデル・タレントとして活躍する井手上漠、特撮ドラマ「仮面ライダーガッチャード」の坂巻有紗、『WIND BREAKER ウィンドブレイカー』の萩原護、ダンス&ボーカルグループ「BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE」の砂田将宏、恋愛番組「今日、好きになりました。」の平松想乃ら若手キャストが名を連ねています。

監督・共同脚本:山元環

出演:早瀬憩、窪塚愛流、井手上漠、坂巻有紗、萩原護、砂田将宏、平松想乃、菊地姫奈、戸田彩巴、朝日奈まお、伊礼姫奈、片桐涼、篠原篤ほか

配給:松竹

公式サイト

劇場公開日:
2026年11月13日より全国公開

【あらすじ】

ある事件をきっかけに、周囲から心を閉ざしてしまった孤独な女子高生・榊ユラ。

彼女は学校の先生から、数人の同級生とともにに立入禁止の旧校舎を掃除することを指示されます。

彼らはそこで偶然、ボロボロになった1台のスマホを見つけます。壊れていると思われたそのスマホは突如起動し、不気味な動画を流しはじめ、その動画を目にしたことでユラたちは「呪いのスマホとつながってしまいます。

それ以来「死の通知」を受け取るようになり、彼らは一人ずつ命を落としていきます。

やがてユラたちは、呪いのスマホの奥にある衝撃の真実にたどり着きますが……。

【『呪いのスマホ』の感想・評価】

1.【戦慄分析】「ホラー作品」としての強さを感じさせる物語

当サイトによる怖さレベル:Lv.4.6(映像、心理面ともに高い衝撃性に注意)
図:映画『呪いのスマホ』の「怖さ」レーダーチャート

グロテスクなビジュアル/流血:大

音響による不快感・ノイズ:大量(環境音を巧みに使用した演出)

演出分析:「怖いものが出る」予感が、恐怖を増幅させる
(C)「呪いのスマホ」製作委員会

本作は、ジャンプスケアやグロテスクな描写にも抜かりがなく、ホラーとしての恐怖をしっかりと味わわせてくれる作品です。

特に巧みなのが、何か恐ろしいものが現れることを予感させる演出です。姿が見える前から不安を募らせ、観る側に「何かが来る」と身構えさせる。

その積み重ねが、実際に恐怖が訪れたときの衝撃を大きくしています。日常の音を不気味なものへと変化させる音響効果も絶妙で、身近な環境そのものが不安を生み出す仕掛けになっています。

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

恐怖の組み立て方には、『リング』や『SMILE/スマイル』など、過去のホラー作品を連想させる部分もあります。しかし、本作の魅力は既存の恐怖表現をなぞることだけではありません。

登場人物たちが見せる不安や動揺、そして作品全体に漂う不穏な空気も印象的です。

単に怖いものを登場させるのではなく、物語の中にある問題や人間の心理から恐怖と絶望感を引き出している。その点に、本作のホラーとしての強さを感じます。

2.【作品の批評】学校の怪談と、現代のスマホ文化が交差する

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

スマートフォンにまつわる恐怖と、学校の怪談を思わせる物語。本作は、この二つを組み合わせた王道的な学園ホラーとして楽しめる作品です。

スマホという身近な道具が恐怖の入り口になる設定は、現代を舞台にしたホラーとして興味を引きます。

物語そのものにはスタンダードな展開も見られますが、AIで生成された映像を恐怖の仕掛けとして利用するアイデアが巧みです。デジタル技術が生み出す不気味さを、単なる目新しさに終わらせず、物語の恐怖へと結びつけています。

映像面では、強いコントラストと黒を印象的に使った画作りが目を引きます。暗闇を強調する映像は、何が潜んでいるのかわからない不安を生み出すだけでなく、作品全体の不穏な印象を形づくっています。

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

そして印象に残るのが、主人公・榊ユラの目です。

「他人には見えない何か」を目撃する恐怖。そこに宿る絶望感や、わずかな希望を感じさせる表情まで、ユラの目はさまざまな感情を伝えてきます。恐怖におののく姿だけではなく、その奥にある複雑な心情まで感じさせる点が印象的です。

主人公の性格と、演じる早瀬憩の存在感との相性も見どころの一つ。恐怖にさらされる人物の姿を通じて、物語への没入感を高めています。

ホラーとしてのわかりやすい恐怖を備えながら、現代社会の問題を物語に取り込んでいる本作。ジャンルの定番を押さえつつ、スマホとAIという現代的な要素を生かした作品に仕上がっています。

3.【深掘り考察】SNSのヒエラルキーは、本当に「強さ」の証なのか

3.1 注目されることが、いつしか人間の価値になる?

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

この物語の背景にある大きなテーマは、SNSを介した人間関係と、そこに生まれる社会問題。

ネット上には、発信する側と、それを受け取る側がいます。多くの人から注目され、支持を集める人がいる一方で、意図しない形で注目され、笑いものにされる人もいます。そこには、現実の学校生活にも通じるヒエラルキーが生まれています。

その「上下を分けるもの」は何なのか?

自分から発信し、多くの人に認められるのか。それとも、無様な姿を誰かに見られ、笑いの対象にされるのか。両者の間には大きな違いがあるように見えます。しかし、その境界線は必ずしも明確ではありません。

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

注目されることと、幸せであること。笑われることと、価値のない人間であること。それらは本来、同じではありません。

それでもSNSの世界では、他人からの反応が、いつの間にか人間の価値を測る物差しのように扱われてしまう危険性があります。

本作は、そうした不条理をホラーの恐怖へと結びつけています。人間関係の歪みが不安を増幅させ、時には絶望を生み、時には思いがけないカタルシスにつながっていく。SNSを題材にしながらも、描かれているのは「他人の視線や評価に翻弄される人間の姿」なのです。

3.2 「強い人」は、本当に強いのか?

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

興味深いのは、SNSのヒエラルキーで上位にいる人々の姿です。

彼らは、ネットから浴びせられる刺激や反応に対して、自分は強いと思っているのかもしれません。注目されることに慣れれば、多少の批判や他人の視線など気にならない。そんなふうに考えている可能性もあります。

しかし、それは本当に強さなのか?

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

ひょっとすると、彼らは傷つかないのではなく、自分が傷ついていることに気づきにくいだけなのかもしれません。

あるいは「自分の行動が他人に何をもたらしているのか」「そして自分自身が何に巻き込まれているのか」を、十分に認識できていないのかもしれません。

そう考えると、ヒエラルキーの上位にいることは、必ずしも安全や幸福を意味しないのではないでしょうか。

本作に描かれる恐怖は、弱い立場の人間だけに降りかかるものではなく、むしろ「自分は大丈夫」と思っている人間ほど危険に気づくのが遅れることもある、そんな皮肉な構図も見えてきます。

3.3 呪いの先にある「幸せ」は、救い?

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

本作でもう一つ印象的なのが、物語の行き着く先です。

全体としては、逃げ場のないディストピアを思わせる世界が描かれています。しかし、その中には一部、最後にある種の幸福を手に入れたかのように見える人物もいます。彼らの表情には、どこか満たされたような雰囲気さえ感じられます。

では、それは本当に幸福なのか?

そこには何らかの救いが感じられるかもしれません。しかし、彼らがたどり着いた場所を考えると、その幸福そうな表情そのものが、かえって不気味に感じられます。

その結末には、単純な救いのなさとは少し異なる絶望感が漂っています。すべてを失ったように見える人間が、本人にとっては幸福な場所へたどり着いているのだとしたら、外からその姿を見ている私たちは、いったい何を基準に幸せを判断すればよいのか?

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

本作は、SNS社会に対して明確な答えや教訓を提示するというよりも、その闇に焦点を絞り、ホラーという形で人間関係の不条理をありのままに描き出しているものとも感じられます。

さまざまな形式でSNSをめぐる問題を扱った映画作品は、近年数多く発表されています。その中で本作の特徴は、ネット上のトラブルを現実的な問題として説明するのではなく、誰もが抱え得る承認欲求や他人の視線への不安を、普遍的な恐怖へと変換している点にあります。

本作が描く恐怖は、画面の向こうから何かが迫ってくることだけではありません。私たちが日々当たり前のように求めているつながりや評価が、いつの間にか別の意味を持ち始めている。そのことに気づかされる点にも、本作の不気味さがあるのではないでしょうか。


こちらも是非!

スマホ、SNSなどを絡めて学園におけるヒエラルキーの悲惨な光景をモチーフに恐怖を描いた物語【『インビジブルハーフ』にも、本作につながる若者の生きづらさが感じられる。

物語『きさらぎ駅 Re:』の冒頭では、異世界から帰還した主人公がネット社会で大きなバッシングを受け苦しむ姿が。そして彼女の苦しい思いは、物語の結末に大いにのしかかる伏線となる。


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【次回の『公開前レビュー』】

次回は作品『ハウスメイド』をレビューします。

裕福な家庭に雇われた若い家政婦が、邸宅に隠された想像を絶する危険な秘密に迫るサスペンススリラー。

スタッフには、『シンプル・フェイバー』などで知られる名手ポール・フェイグ監督がメガホンをとり、世界的ベストセラー小説をスリリングに実写化しました。キャスト陣には、主演のシドニー・スウィーニーを筆頭に、アマンダ・セイフライドやブランドン・スクレナーなど、ハリウッドの豪華スターが集結しています。

原作にはない独自要素を交えながら、幾重にも張り巡らされた謎と斬新な仕掛けで観客の常識を覆していく、予測不能な展開が大きな特徴の注目作。観る者の不安感と恐怖心を揺さぶる、本作のショッキングな見どころを徹底レビューします。

当サイトならではの深堀考察に是非ご期待ください!


English Summary

Title: Cursed Smartphone(Noroi no Smartphone)(Horror Level: 4.6)

Summary:Directed by Kan Yamamoto and starring Ikoi Hayase, Cursed Smartphone is a cutting-edge digital horror film that depicts an escalating spiral of terror triggered by a mysterious, self-activating mobile phone. When high school students find a battered smartphone in an off-limits old school building, they begin receiving fatal “death notifications” generated by AI. Rather than a simple tale of rogue technology, the film brilliantly explores the dark side of modern youth, including social hierarchy, peer pressure, and the suffocating desire for validation on SNS, delivering a chilling psychological nightmare.


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(C)「呪いのスマホ」製作委員会

(C)「呪いのスマホ」製作委員会

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